今回は昔使っていた部材で今は必要ないけどデザインとして取り込んで使っている例を紹介します。
これを知っているとデザインの意味がわかって建物の見方が少しわかり面白いですよ。
まずは、洋風住宅でよく使うサッシの格子です。
今は格子はペアガラスのガラスとガラスの中にあるのが普通です。
この方がガラス掃除がしやすいので便利です。
しかし、昔の格子の役割は全然違いました。
昔は大きい板ガラスが出来なかったり、高価なために小さい板ガラスをつなぎ合わせて大きな窓を作っていました。
そのつなぐ材料として木や金属の格子があったのです。
今はもちろん大きなガラスを作る技術やそれを安価で作れます。
しかし、その頃の格子がデザイン的に良かったので今もデザインとして窓の格子が残っているのです。
合わせて内装ドアなどに使うガラスでもあります。
今のような均一な板ガラスが技術的にできなかった時代、ガラスは波打ったり気泡が混じったりしていました。
今のサッシガラスだと不良品になるところですが、内装ドアに使うガラスはわざと表面が波打っていたり気泡が入っている「アルトドイッチェ」などのアンティークデザインが素敵でよく当社でも採用しています。
これも昔の部材がデザインとして残っている例です。